諸行無常の外で

秋ですね、涼しい涼しい。
Berryz工房のプロモーションは基本的にファン囲い込み型であり、製作者サイドもファンの動きに敏感だと言われます。秋コンのセットリストも、まるごとでのファンの批判を受け止めた結果のように感じられるし、やはり囲い込んだファンを手放さない努力に腐心しているのでしょう。メンバーの変更が舞波卒業にいたるまで一度も為されなかったのも、そのへんに要因があるような気がします。
一方でモーニング娘。は開かれたグループなのでしょう。いえ、正確には世間を強く意識しているのだと思います。今回の武道館公演はどうにか座席も埋まり体面は保たれたものの、やはり卒業の関わらない公演となると、チケットのオークション相場は下落の一方なのでした。逆に言えば、だからこそ卒業や加入を繰り返すのでしょう。
つんく♂の常套句は「日々進化する・・・」。進化し変化していくものに世間は目をとられます。諸行無常という言葉、まさにその通りと思います。ポピュラリティを得たものは、世間を常に意識し、そのポピュラリティを維持しなければなりません。さもなくば「落ち目」のレッテルを貼られ一気に消滅してしまいます。
Berryz工房は、そういった世間の目だとか、諸行無常の世界とは、すこし離れたところに在る存在なのだと思うのです。新曲発売イベントもデビュー後1年以上経った現在に至るまで継続していて、ファンとの距離を極力離さないように努めているように感じます。それは、本当に良いものをそれを愛する存在に提供していこう、そういう存在を失わないように繋ぎとめよう、という姿勢であって、そこに僕は強く惹かれます。
ただ、この手法をとっている以上は、モーニング娘。のような「世間的にビッグな存在」になりたいという彼女らの意思、夢をかなえることは出来ない、というのも同時に発生するジレンマであり、どちらが好ましいのかをはっきり言えないのが辛いところです。
でも、そういう「Berryz工房を愛する存在」は着実に増えました。そのファンの質は今はおいておくとして、ファンで埋め尽くされた東京厚生年金会館に彼女たちが何を思うのか。僕はそれを考えると胸が熱くなります。
ビッグになんてならなくても、いいんじゃないかな。茉麻に、そう伝えたいな、なんて、ちょっとだけ思ったのでした。自分勝手な悪いファンですね、まったく。