fanatic crisis

ハロプロには直接関係の無い話だけれど。
「ファン」と「ヲタ」とでは、どちらがディープに聞こえるだろう? 多分ハロヲタに訊けば10人中8〜9人が後者を選ぶような気がする。「ファン」とはライトに娘。を「好き」な層で、「ヲタ」とは必死でどっぷりハマリこんでいる層なのだ、と考えられているんじゃないか。
俺はもともと「ファン」という言葉は英単語「fun」からきているものだと思っていた。
なるほど、英和を引けば(参照

戯れ, ふざけ; おもしろ味; おもしろい事

とでていて、興味がある、面白いなぁ、そのくらいの気持ちで対象を楽しんでいる人たちのことを指すのだといわれても、十分納得できる。
けれども、実はファンのつづりは「fun」ではなく「fan」。そしてその語源を求めると、「fanatic」という単語にたどり着く。fanaticは英和では

熱狂的な ; 熱狂[狂信]者

という意味。どうだろう、何か自分たちの抱いていた「ファン」という言葉のイメージとはだいぶ違うなということに気づくんじゃないだろうか。むしろ、我々特にハロヲタが「ヲタ」という言葉に抱いているイメージに近いような気さえする。東西南北飛び回り、時に大金をはたいて最前列を射止め、写真にはフルコンプを目指して蒐集に余念が無い。これを「熱狂的・狂信的」と言わずして何といおう!といった具合で、非常に外向的で、活発なイメージを持つ。
むしろヲタ≒オタクというのはどちらかというと内向的なイメージを抱かせる言葉であり、連動して想起させる事柄といえば「ニート」であるとか「アニメ」であるとか、在宅指向のものばかりが列挙される。厳密には少し違うのかもしれないけれども、ハロヲタで言うと「在宅系でテレビ・ラジオは欠かさずチェックしています」というイメージが近いかもしれない。
言葉の面白さというのは、言葉を使う人々によってもともとの意味を離れ、新たな「意味」を取得することだと思う。別にもともと持っていた意味に固執する必要はない。そもそもfanのような外来語は表音文字によるもので、言葉自体はただの字と音の羅列でしか無いのだから、尚更だ。しかもその「意味」がある人々(この場合はハロヲタ)においてのみ成立したりするのは興味深い。現代に生まれた「新たな方言」とでも言えばいいのかな。