錬金術

須藤茉麻の64%は欲望で出来ています
須藤茉麻の23%は野望で出来ています
須藤茉麻の7%は濃硫酸で出来ています
須藤茉麻の4%はミスリルで出来ています
須藤茉麻の2%はお菓子で出来ています

「あまたの可能性を秘めた魔法の金属『ミスリル』に濃硫酸をかけてゆく茉麻の眼は野望に満ちていた」と読み解いた。さてはて何のこっちゃ?である。
でも、ごくごく解り易く言えば、誰しもが輝くための原石を自分の中に持っているものだと俺は考えている。その原石を精製してゆくことで、人は輝きを増していくんじゃないかな。嗣永は自分の原石の存在を知り、そしてその原石を徹底して磨き上げることで「プロ」と呼ばれる程の輝きを放っているのだと思う。自分にしか出来ないオンリーワン、これを見つけることこそが「自分探し」であり、その自分を発見した時から、己の「精錬」が始まるのだということ。
ミスリルといえば、よくRPGゲームで強力な武器を作り出す原材料として登場する、魔法の金属だ。錬金術師はそのミスリル濃硫酸をかけて、錬金してゆく。それはとても野心的というか、野望に満ちた行いだ。
彼女は「美しい」。その実年齢に不相応なほどにね。そのことに彼女が気付き、「私を美しく魅せたい」という想い、野望を抱いた時、「美しい」というミスリルは初めて輝きを放つことが出来る。俺は、その時こそがターニングポイントだろうな、と思っている。

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つまりは、自分のオンリーワンを伸ばしてゆく、このことが「真の須藤茉麻」を形作ってゆく上で欠かせない、ってことなの。今はまだ、「須藤茉麻になる途中」だから。
あ、あと、2%のお菓子、これはおせんべい1%とお団子1%ね。