合格発表

私立に次々と受かっていく奴、残念ながら散っていく奴。俺らは予備校の前まで辿りついた。国立専願の俺らは、最後まで望みを捨てなかった、けど、ダメだった。なぁ、次があるもんな。うん、来年があるさ。また頑張ろうぜ。そう言って俺は秋井の肩を叩こうとした。その刹那、突然秋井の電話が鳴った。
「なんちゅう恋をやってるっちゅぅのおぅ♪」
空気の読めない着うたが流れ出して秋井は電話に出た。「あ、母さん。え?まじで?う、うん、わかった、今すぐ帰る!その通知、大事にとっといて!うんうん、じゃ!」
「どうした?」
「あ、すまん、ちょっと先に帰らなきゃならなくなったんだ、ゴメンよ!」
急に駆け出す秋井。取り残される俺。
・・・!そうだ・・・。
今日は後期日程の合格発表じゃないか・・・? 俺のもとには電話は来ない。来るはずがない。だって受けてないんだから。あいつ、いつの間に受験してたんだ。くそぅ、ぬけがけかよッ!

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そんなわけで最後の最後になって僕にも天国への片道切符が届きました。
20日は爆竹祭が起きないことを願うのみです。