モーニング娘。有機体説

アルバムの話、その2。
この8年間メンバーが絶えず入れ替わり、また個々のメンバーも成長し変化しても、彼女たちは同じ「モーニング娘。」のメンバーだ、という感覚というのは消えない。で、この感覚を特に感じる曲というのがある。I WISH、ここにいるぜぇ!、ラブピー、ハッソー、そして今回のアルバムの「青空がいつまでも続くような未来であれ!」。*1
大きなスケールで平和や夢、希望、勇気なんかを説くんだけど、つんく♂独特の語法がこの音楽たちをごく「身近」に感じさせてくれる。
モーニング娘。っていうのは身近で僕らとそう大きな差のない生身の少女たちだと思っている。過酷なレッスンだとか、ドラマティックな卒業とか、確かに異世界の出来事のようにも思うけれど、恋に落ちるメンバーもいれば、喫煙という失敗を犯す子もいる。*2そういう「普通の人間」が燦燦と輝いている、っていうのが魅力的なんじゃないのかな。そして同じく「普通の人間」である俺らにも、フィールドの違いはあれ燦燦と輝くチャンスがある、ってことを教えてくれる。こういうモーニング娘。の本質が現れているのが、さっきに挙げたような音楽たちだと思うのだ。

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昨日述べた「移ろい行く魅力」と「変わらない魅力」、二律背反なように見えるけれども、二つの魅力は矛盾しない。一人一人が成長し、卒業し、また新しい子が加入していくなかで、モーニング娘。の「DNA」が絶えず受け継がれてきた、と考えれば、説明はつく。であれば、モーニング娘。は「有機体」である、と主張しても、あながち間違ってはいないような気がする。

*1:他にもあるけど、パッと思いつく例として。

*2:加護の喫煙を擁護・是認するつもりではありません、念のため。