再生躊躇シンドローム

アルバムの話、その1。
長く触れていると感覚とは鈍くなるもので、ある日ハッと変化に驚かされることっていうのは、そう少なくないんじゃないだろうか。例えば実家に帰り母親の顔を見るとしみじみ「老けたなぁ」と感じるのだけれど、そう思うようになったのも一人暮らしを始めてからのことで、実家暮らしをしていた頃はただ見逃していただけなのだと思う。いつも家に帰ればそこに居たからね。そういうことっていうのは、よくあると思う。
こうも長くヲタ業を営んでいると、推しの変化にもだんだん鈍くなってきたかな、なんて思うんだけど、なるべく意識して昔と今を比べるようにしていたりする。そうすることで「成長している」ということを実感したいのである。
それでも、突然推しの変化にハッとさせられることがしばしばある。レインボー7、その中の「無色透明なままで」。まったく期待せずに何となく聴いていたのだけれど、Bメロのラストに飛び込んできたフレーズは物凄いインパクトがあった。
「(口付けてと・・・)言えなくて
間違いなく紺野の声なんだけど、でもにわかには信じられない。そして、そうか、もうすぐ19なんだもんな、なんて感慨に耽ってしまった。嬉しいような、寂しいような。ともかくも、そのワンフレーズがあまりに魅力的で、逆に聴くのが怖くなってしまった。けど、聴きたくて、おそるおそる再生ボタンを押しては、ため息をついておるのです。
げに世の中とは諸行無常なり、なんてね。
(追記)
聴けば聴くほど、染みてくる曲ですね。紺野だけじゃなくて、どのメンバーの声も素敵で。バラードにはぜんぜん期待していなかったのになぁ。プラスに誤算だったな、うん。