信心

紺野ヲタってのは信心深いもので、根拠も無いのに「写真集は売れる」「センターに立つ日が来る」云々、ひたすら信じてきた。狂信的と言っても言いすぎじゃない。けれども、実際センターをつかみ、写真集もハロプロナンバー1の売り上げをたたき出した。紺ヲタは度を越して狂信的なクセに、一度も裏切られたことが無い。不思議なものだ。
この卒業劇に当たって、不思議なくらいに紺野ヲタのダイアリーは前向きだった。実際卒業発表はどれだけ真実を述べているのか不明だし、それに「いつか戻ってくる」という期待をにおわせる文章も、石黒・市井の前例を見れば非常に危険なシグナルだと言わざるを得ない。あるスレでは「市井ヲタだったけれど、紺野ヲタも期待すれば裏切られるから覚悟はしといたほうがいいよ」という声も聞かれた。
それでも紺野ヲタはどこもかしこも、痛々しいくらいに前に向き直っていた。
彼女は絶対に裏切らない。根拠なんてないけれど、根拠すらも紺野ヲタにはいらないんだろうなぁと思う。理由を越えた何かがあるような気がする。無理矢理言葉にするならば、「信じる者は救われる」とでもしとこうか。宗教っぽくて怪しさ満点だが。
娘。を辞めてなんか欲しいわけが無い。本当に寂しい。だからこそ、俺たちには「信じる」しか遺されていないんだから、とことん信じてみようじゃないか、とね。